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【レポート】きくちさかえお産学講座「出産の社会デザイン学」第二期

update 2022/10/18

きくちさかえお産学講座『出産の社会デザイン学』
6月〜9月の4ヶ月間にわたり開催してきた6回講座が終了しました。

 

今回は、助産師、ドゥーラ、教育現場で教鞭をとる方々にご参加いただきました。
途中、飯村ブレットさんをお迎えして第一期生との交流会も開催しました。
ご参加いただいたみなさま、きくちさかえさんと共に出産育児環境のことを学び語り合えたことを嬉しく思います。ありがとうございました。

 

本講座の目的の一つに
 社会の構造を捉え、自分の立ち位置と、何を目指し、
 どう生きるかを確認する。
というものがあります。

 

ご自身の立ち位置を、出産や助産の歴史、現状の社会情勢、ジェンダー、セクシャリティなどの講座と参加者のご活動の情報共有を交えながら、6回をかけて探ってきました。
参加者は異職種ですが、それぞれ出産育児に関わるフィールドで活動されている方。立場を超えて共に学び、意見交換し、フィードバックすることで新たな視座を得ることができました。

 

ご自身が普段口にできないこと、感じていることを語ることのできるのは、安心安全な学びの場だからこそ。
このようなニュートラルな場をこれからも継続していきたいと思います。
第三期は、来年3月に開校予定です。

 

【参加者のご感想】
・情報がこんなにあるのに現代女性の選択が偏り、嫌なことに声をあげられないのか、という問いからの参加でした。参加医療暴力の中でなぜ女性は声をあげないのか、、、
きくちさんの講義と双方向のやりとりで、私たちの感情や認識ひとつひとつが社会構造のありようにつくられていることに気づきました。そして、社会の根幹をつくる女性の感情や認識を受け止める社会にするためには、社会構造に意識を向け、それを変えていくことの努力が必要だと明確に思っています。今までぼんやりだったので(笑)。
また、社会の根幹に関して大事なことを話せる時間と、それを話せる仲間ができたこと、それぞれの色んな取り組みや悩み、、、すごくエンパワーされました。
自然性をベースにした幸せなお産と育児の支えたいが、医療連携がうまくいかず、周りから否定されて(と感じていて)、もがいてる時期だったので、なおさらです。自分たちの活動は大事な活動だと強く再認識できたことも本当によかったと思います。
お産を扱う助産所の管理者は助産所から離れられないので、今回、長野県のきくちさんの講義、県外・海外の参加者の声を継続して聞けたことに感謝です。
ありがとうございました!

 

・普段、学生に伝えている内容をさらに深堀りした内容だったと思います。テキストでは学べないことを知ることができました。とくに、私は助産師ですので、ドゥーラとして働いている方が日本にいらっしゃることを知らず、興味深かったです。お産が多い施設ではとくに、助産師が一人の産婦さんに関われる時間が少なくなっていると思うので、そういう施設こそ出産ドゥーラの方の活躍の場ではないのかなと感じました。
ジェンダーについては、6月ごろ講義をしたばかりで、講義の前に聴講したかったなと思いました。来年度の講義に今回の学びを取り入れさせていただきます。
マイ助産師制度について、実現させようと取り組んでいらっしゃる方々がいることを知り、その内容についてもプレゼンしていただくことで、実習施設にも提案できるところは提案したいと思いました。

 

・きくちさかえ先生のご講義に魅かれて、全国から集まったご縁のある方々とエンパワーし合える素晴らしい時間でした。社会や組織の一部ではなく、個人としてのありのままの自分の気持ちに気付けたり、それをそのまま表現できる機会に恵まれたり、参加する前には想像していなかった、あたたかい居場所でした。全国それぞれの場所で、それぞれの立場で、母子への愛を活動とされている方々から湧き出るエネルギーが循環していて、その中にいるだけで、自分の活動をより柔軟にかつより情熱をもって、考えるようになったと思います。また次回も、参加したいです。

 

・助産師さんが多かったので、医療現場のお話を直接いろいろ聞けたのがとても勉強になりました。ふだんの生活では知り得ないことばかりなのでためになりました。
意外と助産師さんがドゥーラは知っているけど、どんな人たちが知らないという反応だったので、今後はドゥーラの活動についていろいろ発信していく必要があるなと感じました。
産後ドゥーラは助産師さんや専門職の方たちと、ママさんを繋いでいくのが仕事なので、いろいろな立場の方からのお話が聞けて良かったです。